今日の芸術 2022

art curator 岡本かのんのブログ

2022-01-01から1ヶ月間の記事一覧

列島考古学 文字文化の定着-弥生から古代まで-

金錯銘鉄剣 (約1800文字・購読時間2分20秒) 弥生時代 古墳時代 古代 弥生時代 紀元後3世紀中頃までにあたる縄文時代の後、水稲農耕を主とした生産経済の時代で、日本の移動史が大きく変革するきっかけとなった時代でもある。大陸から北部九州へと金属器や…

列島考古学 移動する生活から定住する暮らしへ

(約1700文字・購読時間2分10秒) 日本列島における旧石器時代から縄文時代への移行は、自然環境と人類文化の両側面に見られた歴史的画期と言うことができる。この変化は、全球的な大規模気候変動期である氷期から温暖期への移行期に相当する。およそ2万年前…

列島考古学 旧石器時代における細石器の特徴とその製作上の効率性

(約800文字・購読時間1分00秒) 細石器とは、打製石器の一種で、小型かつ刃の特徴を持つ石器である。日本国内では一般的には旧石器時代後期に分類される。木や骨角の軸に数個はめこんで、ナイフ・槍・鎌として用いた。日本列島の旧石器時代の最終に現れたの…

江戸の歴史 近代化の地盤づくり

(約900文字・購読時間1分10秒) 江戸時代とは日本の歴史のうち江戸幕府の統治時代を指す時代区分である。期間は慶長8年(1603年)に徳川家康が征夷大将軍に任命されて江戸に幕府を樹立してから、慶応4年(1868年)に慶応から明治に改元されるまでの265年間…

京都の歴史 平安京遷都

(約1250文字・購読時間1分30秒) 平安京遷都は、天皇はもちろんすべての貴族・豪族達も移動させるという大規模なものである。政治と仏教の分断、人心の刷新などが考えられる。奈良の平城京では都を平城京から移さざるを得なかった深刻な問題が起きていた。…

ゲームと著作権について

(約1800文字・購読時間2分20秒) 2019年暮に任天堂が著作物利用ガイドラインを発表し、事実上、個人のゲーム実況動画と収益化を解禁した。近年動画配信サイトの普及により、ゲームのプレイ動画配信が人気を博ている。十年ほど前と現在では取り巻く環境が全…

書評 岡本太郎『沖縄文化論』

岡本太郎『沖縄文化論』 (約1200文字・購読時間1分40秒) 東京から初めて沖縄に降り立った岡本太郎(1911-1996)は、王朝文化、戦争、占領、基地など、さまざまな沖縄の生々しい現実を目のあたりにした。何か芸術家としてのインスピレーションを与えてくれ…

コロナ禍で厚生労働省の発表した“3密”を真言密教が批判しないのはなぜか

(約1400文字・購読時間1分50秒) 政府の発表した“3密”は既知だが、密教にも“三密”という言葉があることを知っている人もいるだろう。一部で「3密と軽々しく言うな、高野山は文句を言わないのか」という意見がある。“3密”とも表記される“3つの密”は2020年の…

美術批評 エッシャー時代のアートと科学的評価

M.Cエッシャー『昼と夜』 (約1600文字・購読時間2分00秒) M.C.エッシャーのリトグラフ《物見の塔》(1958年 462x295mm イスラエル博物館所蔵)、同じく、リトグラフ《滝》(1961年 380x300mm イスラエル博物館所蔵)が制作された時代は伝統的な絵画表現か…

芸術鑑賞 M.C.エッシャー《滝》

M.C.エッシャー『滝』(1961年) (約900文字・購読時間1分00秒) リトグラフ《滝》(1961年)もまた、M.C.エッシャーによって制作されたありえない図形である。まず作品に向かって中央やや上部の左手を見ると、滝が落ちるのがみえ、それによって水車が回っ…

芸術鑑賞 M.C.エッシャー《物見の塔》

M.Cエッシャー『物見の塔』(1958年) (約2000文字・購読時間2分30秒) リトグラフ《物見の塔》(1958年)オランダの画家である、 マウリッツ・コルネリス・エッシャー(1898年-1972年)によって制作された。二次元の絵だが、 遠近法による描写を見なれてい…

芸術鑑賞 葛飾北斎 《冨嶽三十六景 山下白雨》

葛飾北斎 『冨嶽三十六景 山下白雨』 (約1390文字・購読時間1分40秒) 制作時期 天保元~4年(1830-33年)頃 《凱風快晴》や《神奈川沖浪裏》とともに、《冨嶽三十六景》の三役に数えられる作品である。季節は夏、わずかに雪が残る富士山の山頂付近は、雲ひ…

芸術鑑賞 歌川広重《名所江戸百景 大はしあたけの夕立》

歌川広重『名所江戸百景 大はしあたけの夕立』 (約1350文字・購読時間1分40秒) 安政4年(1857)9月に制作された。「大はし」は隅田川に架けられていた新大橋のことで、「あたけ」(安宅)とは、対岸にあった御船蔵周辺の俗称である。ここには幕府の御船蔵があ…

芸術鑑賞 葛飾北斎 《富嶽三十六景 凱風快晴》

葛飾北斎『富嶽三十六景 凱風快晴』 (約1500文字・購読時間1分50秒) 制作時期 天保元-4年(1830-33年)頃 『富嶽三十六景』は、いわずと知れた葛飾北斎の代表作である。シリーズ名には“三十六景”とあるが、総点数は全46図にのぼる。『富嶽三十六景』は天保…

美術批評 AKIRA ART OF WALL Katsuhiro Otomo × Kosuke Kawamura AKIRA ART EXHIBITION

AKIRA ART OF WALL AKIRA ART OF WALL Katsuhiro Otomo × Kosuke Kawamura AKIRA ART EXHIBITION (約1800文字・購読時間2分20秒) 渋谷PARCO建て替え工事の仮囲いを美術演出したART WALLを再度巨大コラージュ作品として展示したものになる。元のART WALLは…

美術批評 AKIRA

AKIRA キービジュアル (約900文字・購読時間1分10秒) 1988年の映画公開時のキービジュアルは赤いツナギを着た少年が、背を向け、特徴的なバイクへと歩みを進めている。全く意味不明である。これには映画公開時に製作委員会側からクレームが入った。なんだ…