今日の芸術 2022

art curator 岡本かのんのブログ

2025-01-01から1年間の記事一覧

日本文化の源流・「伝統」とは

(約1700文字・購読時間3分0秒) 「伝統」の本質とその動的性格 「伝統」という概念を考える際、多くの人は不変で固定的なものと捉えがちだが、実際の伝統は極めて動的で創造的な性格を持っている。伝統とは単なる過去の遺物ではなく、各時代の人々が主体的…

日本文化と東アジア・上代の舶載品をめぐる文化史

(約1600文字・購読時間4分0秒) 古代日本において舶載品は、日本社会の上層階級を中心に広く受容され、その後の日本文化形成に決定的な影響を与えた。これらの舶載品の実態と影響を最も具体的に示すのが、奈良の正倉院に保存された御物群である。 正倉院は7…

日本文化と東アジア・中世唐物再考

(約1650文字・購読時間4分0秒) 1.鎌倉時代の唐物と『仏日庵公物目録』が示す武家の蒐集 鎌倉時代、日宋貿易の活発化とともに、新たな文化の担い手として禅宗が大きな役割を果たした。栄西や道元をはじめとする禅僧たちは、最新の禅の教えと共に、宋・元の…

日本文化と東アジア・日本文化と『唐物』

(約3160文字・購読時間7分0秒) 「唐物」とは、本来中国(唐)から渡来した品物を指す言葉だったが、時代とともにその意味は拡張し、中国以外の朝鮮半島や東南アジア、さらには西欧諸国からの舶載品をも含む概念となった。この変化は、日本における「漢」と…

日本文化と東アジア・江戸時代の日蘭貿易、琉球使節による文化の展開

(約2100文字・購読時間5分0秒) 江戸時代の日本は鎖国政策を敷きながらも、限定的な国際交流を通じて多様な文物と文化を受容し、それらを独自に展開させていった。特に、オランダとの貿易と琉球使節による中国との交流は、外来文化の流入と日本文化の変容に…

日本文化と東アジア・戦国織豊期の唐物

(約1700文字・購読時間4分0秒) 1.将軍家の権威の象徴 ― 「御物」の時代 室町中期、八代将軍・足利義政が主導した東山文化の時代は、唐物文化の最初の頂点だった。義政は、同朋衆の能阿弥らを重用し、勘合貿易などを通じて集めた膨大な唐物を鑑定・整理させ…

京都学:平安京の形成と都市生活

(約1500文字・購読時間3分0秒) 平安京は、平安時代における日本の新しい都であり、基盤目状に区画され、朱雀大路によって左京と右京に分けられた。朱雀大路は幅28丈(約85メートル)で、最大の大通りだった。次いで、宮城の南を東西に走る二条大路は幅17丈…

京都学:平安新仏教と浄土教成立へのプロセス

(約2000文字・購読時間5分0秒) 平安時代は、日本の仏教史において決定的な転換期であった。平安時代に登場した新仏教は、個人の内面的な救済や悟りへの実践的道を重視し、その後の日本人の精神性に深く根差していくことになる。この大きな潮流は、前期に最…

京都学:室町の王権と足利将軍の御所

(約2200文字・購読時間5分0秒) 南北朝統一と義満の王権意識 室町幕府三代将軍足利義満による南北朝統一は、単なる政治的統合を超えた、新たな王権構想の実現過程として理解すべきである。明徳三年(一三九二)、南朝の後亀山天皇が吉野から京都に入り、神…

京都学:明治維新以降の京都の復興策について

(約1750文字・購読時間4分0秒) 1868年の東京奠都は、京都に深刻な打撃を与えた。明治天皇の東京移住に伴い、公家を中心とした政治的支配層が京都を離れ、人口は約30万人から20万人台へと急減した。この結果、公家相手の商工業者や職人は生活基盤を失い、経…

京都学:応仁の乱以降の京都の都市空間の変容ー町人の成立よりー

(約2000文字・購読時間5分0秒) 応仁の乱は京都の都市空間を根底から破壊した。洛中の多くの邸宅や商家が炎上し、交通網や生活基盤も大きく損なわれた。その結果、かつては公家屋敷や武家邸宅を核としていた都市構造が大幅に後退し、空地化した土地が広範に…

京都学:近世

(約1260文字・購読時間3分0秒) 二条城は京都市中京区に位置する平城で、面積は約26万平方メートルに達する。関ヶ原の戦いに勝利した徳川家康が慶長6年(1601)から建設を開始し、慶長7年(1602)に竣工した。この城は、織田信長が足利義昭のために築いた旧…

博物館の教育普及について

(約3500文字・購読時間8分30秒) 江戸東京博物館基本データ ・名称 東京都江戸東京博物館 ・所在地 〒130-0015 東京都墨田区横網1丁目4−1 ・アクセス方法 JR総武線 両国駅西口下車 徒歩3分 都営地下鉄大江戸線 両国駅(江戸東京博物館前) A3・A4出口 徒…

博物館展示論

(約1600文字・購読時間3分50秒) すべての人が平等に利用できるというユニバーサルミュージアムという考え方がある。すべての人とは、たとえば視覚や聴覚、運動機能などに障がいがある場合だけでなく、年齢や日常的に使用する言語の違いなど、文字どおり博…