今日の芸術 2022

art curator 岡本かのんのブログ

2026-04-01から1ヶ月間の記事一覧

『《ゲルニカ》は動かすべきだ』—なぜ私は移動を支持するのか

(約1900文字・購読時間3分) 静かな展示室の中で、《ゲルニカ》は長く同じ場所にとどまり続けている。だが今、その前提そのものが問い直されている。スペイン北部のバスク自治州が、この作品を自らの地で展示すべきだと改めて主張したことで、議論は再び浮…

「憧れの職業」の裏側で何が起きているのか?:シンポジウムで明かされた学芸員の「キャリアの断絶」とリアルな葛藤

(約2600文字・購読時間4分) 1. 導入:華やかな展示室の背後に隠された「声」 静謐な空気が流れる美術館の展示室。一点の曇りもないガラスケースの向こう側で、文化の守り手として優雅に振る舞う「学芸員」は、多くの若者にとって憧れの専門職だ。しかし、…

音を“見る”とは、時間を視覚で追うことだった——チュルリョーニス展レポート

(約1700文字・購読時間3分) 東京・上野の国立西洋美術館で開幕したチュルリョーニス展「内なる星図」は、日本では約34年ぶりとなる大規模な紹介となる。リトアニアの作曲家であり画家でもあるミカロユス・コンスタンティナス・チュルリョーニスの仕事は、…

北斎を見ていたつもりだった——それが崩れる展覧会

(約1800文字・購読時間3分) 正直に言うと、この展覧会は「北斎を見に行く場所」ではない。今まで見ていた北斎が、間違っていたと気づく場所だ。 2026年3月28日、国立西洋美術館で開幕した北斎 冨嶽三十六景 井内コレクションより。名前だけ見れば、誰もが…